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私と彼と排球部。*short story*

第3章 *ヤキモチ 【及川徹】


及川に連れてこられた先は、屋上だった。

及川は私に振り返ってほほ笑んだ。

「言いたく無いなら無理して言わなくてもいいけど、俺でよければ話聞くよ?」

及川はどこまでも優しい。

でもこの優しさは、みんなにも向けているもの。

それを分かっていてもやっぱり止められない。

期待させた及川が悪いんだからな。

「及川が好きなんだよ馬鹿。」

あぁ、どうしてこんな時まで可愛くないんだろう。

及川の反応が怖くて及川の顔が見れない。

「俺も好き。」

そう言って及川は私を抱きしめた。

「えっ?」

聞き間違いかと思って顔を上げてみるが、及川の手で目を隠されてしまった。

「今、こっち見ないで…すごく赤面してるから…」

及川が赤面!?

私はどうしても気になってしまって、つい及川に意地悪をした。

及川の脇腹をくすぐったのだ

「こちょこちょこちょ…」

「ひゃっ!?ちょっ、優希ちゃんやめてっ!!」

及川は咄嗟に手を離す。

あ…見えた。

「及川、顔真っ赤(笑)」

私だって顔が赤いはずなのに、余裕ぶって及川をからかってみた。

「そー言う優希ちゃんだって顔真っ赤じゃんw」

「な、うるさいなぁ!!」

さっきまで泣いてたのが嘘のように、私は終始笑っていた。




「優希…。」

ふいに名前を呼ばれる。

それと同時に再び及川の腕の中に閉じ込められた。

「及川…。」

「あのさ、キス…してもいい?」

「なっ!?!?それを聞くなっ!!」

「じゃあお構いなく。」

それは、彼の熱が初めて伝わった瞬間。

*やきもち

ヤキモチを妬いてしまう自分が嫌いだった。
でも、そのおかげで君とこうしていられるなら、ヤキモチに感謝してもいいよね。
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