第13章 約束して
宿に戻ってきたローはコノハをベッドに優しく下ろす。
穏やかな顔で眠るコノハとは対照的に獣のような顔をしたローが迫る。
何日も愛し合えていない事に加え、酒場での行動は理性を飛ばすのに十分すぎた。
薄く開いた唇にローの唇が重なる。
リップ音を立て顔を離すと大きな瞳がゆっくりと開く。
「っ、ロー…?」
どうやら起こしてしまったらしい。
酒のせいか熱っぽい目で見つめられ、ローの下半身が反応する。
「このまま寝かせてやりたいが、もう我慢できねェ。」
早々にパーカーを脱ぎ捨てたローが再びコノハに覆い被さる。
まだ酔いが残っているせいか、頭がぼーっとする。
それでもギラついた目で見つめられれば、逃げ場は無いんだと実感する。
「…来て?」
力一杯腕を伸ばすと、それに応えるようにローの唇が押し付けられた。
自然と侵入してきた長い舌に、コノハも負けじと応戦する。
「ふっん…、ろ、っ…」
互いの形を確かめるように何度も舌を絡め合う。
甘く噛まれては強く吸われ、それだけで息が上がってしまう。
このままだと意識を失う。
そう伝えようと胸を叩くと唇を離された。
「ハッ、体力無さすぎだ。」
そう言ってローは顎に伝う唾液を拭う。
色っぽい仕草に思わず見惚れていると、みるみるうちに衣服が剥ぎ取られていく。
「や、恥ずかしい…。」
一矢纏わぬ姿となったコノハが両手で体を隠す。
しかしローはそれを許さない。
「何度見てきたと思っている。全て見せろ。」
ベッドに手を縫い付け、舐め回すように体を見る。
ここ最近体を重ねていないせいで、残したはずの赤い跡は薄くなっている。
透き通るような白い肌に唇を寄せ、きつくは吸ってを繰り返していく。
「ん…っ」
甘い痛みが体のあちこちに広がっていき、小さく声が漏れ出る。
「…恨むなよ。」
口元を吊り上げたローが呟くと、コノハは下唇をキュッと結ぶ。
そう、この後の痛みに耐えるために。
「んぅ゛ッ…!」
ローの歯が胸や腹に食い込んでいく。
きっとこの痛みはいつになっても慣れない。
それなのにローの吐息が熱が、どんどんコノハを狂わせていく。