第8章 よそ見ばっかしてんじゃねェ
「嫌な思いさせてごめんね。」
自分の目をしっかりと見て謝るコノハの頭を撫でる。
ベッドの中でローの腕の中に収まるコノハは、あの時一緒にいたルフィこそがシャンクスの言っていた麦わら帽子を託した人物だと話した。
「笑っちゃうかもしれないけど、22歳にもなって初めてできた友達なの。」
寂しげな顔をするコノハに後悔の念が押し寄せる。
「でも、ローが1番だからね。だから、もうあんな悲しい事は言わないでね。」
その言葉に応えるかのように、小さな体をきつく抱き締めるロー。
コノハもローの背中に手を回すと、ぎゅっとローを抱きしめた。
「本当に悪かった。」
頭の上でぽつりと呟くローに、コノハの目が丸くなる。
こんなにも弱々しいローは見たことがない。
自分が知っている彼は、超がつくほど自信家でいつだって冷静だ。
他人には決して見せない姿を、自分の前では隠さずに曝け出すローに胸が熱くなった。
「ロー…。」
名前を呼ばれ、下を向くと大きな瞳が自分を見つめる。
コノハが何かを言おうと口を開いた瞬間、ローの手が彼女の頬を包む。
「…コノハ、愛してる。」
自分が言おうとしていたことを先に言われてしまい、自然と笑みが溢れる。
「ロー、私も愛してる。」
どちらからともなく唇を合わせた2人は、互いの愛を確かめるようにその後何度も愛し合った。