第3章 自立(と調教)への一歩は王子から*
「うっ…っ」
両膝を立てて広げた透子が、力なく静の背中に上半身を預ける。
その間も腟内や体への愛撫は止まず、静が入っている奥の部分がひどく疼くのを感じた。
「はぁ…あっん……ああっ」
さっきより強い圧迫に声をあげる。
それが二本に増やされた時、奇妙な充足感を覚えた。
内部を探る指は真っ直ぐに意志を持って深くまで届き、奥をかき混ぜる。
それがひと掻きするたびに腰をうねらせ、切羽詰まった喘ぎをもらした。
「キミの腰の辺りに俺のモノが当たってるだろう」
やや上擦った息の合間に静が囁き、硬く逞しいものをぐっと押し付けてこられ、頬に赤みがさす。
「勘違いして欲しくないが、俺が最後までいかなかったのは、良くなかったなどという理由じゃない。 指だけでこんなになるキミに無理はさせたくなかった」
「あっ…っごめ…なさ」
「謝ることじゃない。 心と体は似てると俺は思う。 知りたくとも、深く繋がりたくとも、片方がそうじゃないなら意味がない。 キミが悦くなければ俺も悦くない」
「………っ、あっ!」
「だが体は心配しなくていい。 キミは慈悲深い。 奪う楽しみを俺に与えてくれるのだから」
乳房に回っていたもう片方の手も腿に下がり足の間へと移動する。
腟内に指が埋まった状態で、突起の周囲を指で挟みくちくち優しく扱かれ、焦りを滲んだ嬌声が車内に響いた。
「あっあんっ…っひ、あっぁ……ダメ…あっ」
「キミの膣でも俺を覚えて欲しい。 こんな風に、柔らかくひくついて包んで欲しい」
奥底からなにかが滲んで溢れそう。
そしてそれを解放したい。
体と、次いで脳が自身に命じた。
「気持ちいいか?」