第17章 I love you と言わない*
「悪いがまだ達していない」
片胸から外れて透子の内腿に手が滑り込み、その隙間に静が脚を入れる。
角度や深さがまた変わったせいで透子が狼狽えたような声を漏らした。
「あ…っまた…わ、私っ」
「そして感じればいい。 深い海であり、あの空のように高くある俺のアフロディーテ────セックスぐらいは俺に花を持たせて欲しい」
かと思えばこんな風に、自信の無さげな言葉を送ってくる。
同時にむず痒くなるセリフなのだが透子にはそこまで考えられる余裕がなかった。
ただ艶めいた声と膣内粘膜を逞しく圧してくる彼にゾクリ、と自分の淫らな心が同調した。
抱き締められている安心感とともに。
「それだけで男というものは詰まらない自信を保つことが出来るのだから」
次から次へと語りかけるように静が優しく入ってきた。
切ない…愛おしい………。
両手いっぱいにすくい、それでもなお抱えきれない思いが自分の中に存在している。
「は……あァ、し、静さ…あぁ」
前に回された静の手のひらが下へ降り、下腹部を軽く圧され彼の温かさが伝わってきた。
「動いてるのが分かる。 最初はこんな小さな体で受け入れられるのかと心配したが………激しい挿抜にもすっかり慣れたらしい。 だが気を失うほどの快楽ならば俺も加減しないとな?」
手を添えられているせいか、圧迫がいつもよりも生々しく感じた。