第15章 届かない天空をのぞむ*
154センチしかないチビの自分に比べ、静の日本人離れした長身にすらっと長い手足。
「はい。 あの、こういう………ことにも私は疎いので、比べる対象など分かりませんし。 そもそも私の体なんて貧弱で静さんに釣り合いなんか」
本当は京吾の言うとおり、彼の隣に立つのは桜木などのグラマーな大人っぽいタイプが似合うんだろう、などと透子が思う。
「透子。 キミはキミをこんなに想っている俺を馬鹿にするつもりか」
唐突に力強さがこもった彼の声に透子が目をあげる。
「は……え?」
「フフ……よかろう。 キミがどんなに魅力的なのか、滾りの止まない俺の体でとくと思い知るがいい」
そして言葉どおり硬度を取り戻した昂りと共に、透子を抱きあげ悠々とした足の運びでベッドを見下ろした静だったが。
この人って、本当は馬鹿なんじゃないだろうか。 そんな思いが透子の頭を掠めた。