第15章 届かない天空をのぞむ*
透子としてはさっきから腰に押し付けられてる『コレ』が気になっていた。
「………ん?」
そっとそこに手をやり、ごく軽く指を沿わす。
まともに触ったのもこれまた初めてである。
静は好きにさせてくれてるようだった。
「俺のそれに興味が?」
「カタ…いですね?」
それに一周した指が回らない。
向かい合い、明るい所でじっとよく見れば、彼の顔にそぐわず凶暴なカタチをしていると思う。
「なんだか優しくない気がします」と感想を言ってみる。
するとちょっと心外、というていで静が返してきた。
「そうでもない。 これは女性器に適合しやすくかつ両性の快楽を追求した進化の結果だ」
「そう、ですか…っっ!」
と、急に足の間に電流が走ったみたいな感覚に透子の声が上擦る。
指先で肉芽をじかに下からしごきあげられ、咄嗟に静の手首を両手でつかんだ。
「しかも元はこのクリトリスだし。 キミの理想のモノはどんなだ? こんなに敏感で小指の先も無い…可愛いのじゃ挿入は無理だろう」
「やあっ……強、い…っ」
直接されるとやすりみたいな感触だった。
泣き声を出し腰が引けている透子から、静がやんわりと指を外した。
「………まあ、自尊心は若干傷付けられるが、キミの気に入りのものがあるならそれを探そうか」
「そういう意味では」とゴニョゴニョ言う透子に静が声のトーンを落とした。