第7章 閑話 百花繚乱*
透子が乗っている場所は本来は荷物置きに使うものなのか、横になれるほどの奥行きはない。
「以前に車の中でしただろう?」
腰を折った静にスルスルショーツを脱がされる。
それが透子の足先を通り、パサッと床に落ちた。
車の中、は確か後ろ向きで………彼からは見えなかったから。
けれど今は、目の前に静が立っている。
そして和服のため、見た目は着衣しているようにも見える。
そんな中で、自分だけがあんな格好をして、恥ずかしいところを晒せと言う。
透子が俯き、落ち着かなさげに膝頭を合わせた。
「不思議な話だな、昨日は自ら足を開いたのに。 見えない方が不安なのはなぜだ? もう一つ、キミが泣いた理由だが。 俺が誰にでもこうするなどと、不本意な冤罪もいい所だと思わないか?」
「う………」
透子は何も言えなくった。
静がしゃがみ、透子のふくらはぎに軽く口をつける。
非難の言葉を口にしているのに、彼の口調も触れ方も優しい。
閉じた膝を手で包み、静の視線は透子の白い脚を注視しながらキスを繰り返す。
「総じて。 これらは俺を信頼していない証拠だ」
そう言われて透子の胸がずきん、と痛んだ。
自分が彼を困らせたのは本当で。
『私だから』彼がそうして欲しい、のなら。
謝り、そうじゃないと言う言葉よりも────彼が今望んでいるのなら。
しばらくののちに透子がおずおず足を開き、すると「ちゃんと台に乗せて」と言われる。
「もう少し、後ろに。 乳首も触ってあげるから、そのまま壁にもたれて………素直で結構」
静が立ち上がって言い、その間にも透子が着ていた衣服の前ボタンの上を外していく。