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琥珀王子と瑠璃色灰かぶり姫

第1章 お見合い、のち災難



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夕方になり、階下からは家族の団らんの声が響いていた。
与えられた客間を透子は自室にしている。

定期的に部屋に届けられる食事は決して粗末なものではない。
ただ自分がダイニングの家族に加わって食事を摂れることが無いだけで。

二口ほどのパンを口にし、フォークを手にしようとしてそれをまたトレイに戻す。


八神さん。
あの不器用そうな人もきっと自分と同じように、他人の笑顔の裏で、陰口を言われている。
本来の見合い相手である沙紀から。
あの身内らしき男性から。
ひょっとしてこんな風に、自分の意に沿わない場所で。

目に映る暗がりを遮る出窓の梁は、まるで檻の中の格子のようだと感じた。




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