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夕刻、貴方の影を探す

第6章 ろく


 ヒロもゼロも揃って、潜入捜査員。

 残されたはひとり、ヒロの旦那のたまのデートに夢を見て大切に心にしまって。

 気持ちが通じたからそれだけで嬉しいって、

 諸伏の代わりに少しずつ気にかけるようになってそんな彼女をずっと見てきたから。

 だから、余計。

 諸伏の訃報を聞いた時、俺は慌てて彼女の元に行ったんだ。

 1人にしたく無いって思ったんだ。


ーーーー
ーー


 あれから数年。
 少しずつ立ち直ってきたと思ったのに。

 松田からの誘いはいつも急だった。

 「おい、ハギ!ポアロにいくぞ」
 「ポアロ?」

 連れてこられた場所は、雰囲気のいい喫茶店。

 そこではゼロが自らを安室透と名乗り、をそばに置いていた。

 いままで、関与してこなかったくせに。

 「やっほー、ちゃん。気分はどーだい??」 
 「来てやったぜ、」

 見覚えのある背中と、久しぶりの金髪。
 思わず二度見してしまった。

 驚いた顔は少しだけ可愛いと思った。

 「2人とも、どうして…」

 1番奥のボックス席に通される。
 少し不安げに俺たちを見たちゃん。

 大方俺たちに言わないよう、降谷ちゃんから釘でも刺されてたんだろう。

 「そんなことよりお前、アムロから聞いたぞ!」
 「こらこら、松田。急に来て、ちゃんびっくりしてるから。
 とりあえず珈琲ホットで二つもらえる?」
 「あ、はい。かしこまりました」

 しばらくして運ばれてきたホットコーヒー。

 「お待たせ致しました、ホットコーヒーです」
 「ありがとー!いやー、こんな可愛いウェイトレスさんに運んでもらえるなんて、毎日きちゃうよね。陣平ちゃん!」
 「おい、そんなことより」
 「松田、待て。ステイ。お店なんだから、弁えろ」
 「ち、わかってるっつーの。、今日何時に終わる?」
 「今日は、閉店までだよ、」
 「わかった。迎えに来る」
 「現役の警察官が、昼間から堂々とナンパですか?」

 という、怒気を含みつつも笑顔で言う透ちゃん。

 「違うだろ、アムロも来いよ」
 「………はぁ、ったく。わかりましたよ」
 「よし、」
 「にしても、透ちゃんも、板についてんね。喫茶店の店員さん」
 「えぇ、ありがとうございます」
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