第2章 取り引き
翌日、朝食を食べ終えたナターシャは歯を磨いた後に2階に上がり、お気に入りのカチューシャを髪の毛につけた。漆黒の瞳とボブカットの黒髪が似合うナターシャは細く微笑んでいた。
「ナターシャ!ご夫妻がお見えよ。荷物を持って下に降りてらっしゃい。」
暫くしてシスターの声が聞こえたナターシャは返事をして荷物を手にして階段を駆け降りて行った。
「はい、シスター!おはようございます。レンキンスさん。」
ナターシャを迎えに来た夫妻はレンキンスさんと言った。そしてナターシャはシスターや夫妻と少し会話をした後、迎えに来た車に乗り込んで行った。
孤児院が段々と遠くに見える。車に乗ったナターシャは夫妻の会話を聞きながら道中を過ごしていた。