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ナターシャ

第2章 取り引き


夫妻の家に着いてナターシャは辺りを見回していた。
「うわぁ、すごく大きな家ね。」
「そりゃそうよー。旦那、いやお父さんが資産家だからね。」
女の人がにこやかにそう言った。

これから私はこの人達の子供になるんだわと子供ながらにはしゃいで見せたが夫妻が先に家に入った後、ナターシャはニヤリと何かを考えていた。
ナターシャも家に入って扉が閉まった。
「さぁさぁ、疲れたでしょう。お部屋に案内するから着いてきて。荷物置いたらお部屋でゆっくりしていいわよ。」
「ありがとう。そうするわ。」
ナターシャは新しい母と会話を交わして荷物をしっかり手に持つと階段を駆け上がって行った。

「ここがあなたの部屋よ。部屋にあるもの使ってね。休憩してお茶にしましょうか?」
「ええ、そうね。」
母の言葉にナターシャは頷いた。
「もともと、この部屋はうちの娘が使っていた部屋なんだけど留学先のアメリカでそのまま結婚しちゃってね。今回の養子の話をしたらこの部屋使っていいって言ってくれたのよ。部屋のものは娘の頃と変わっていないわ。寝具は洗濯したり干したりしたからまだ使えるわよ。娘の古いものでごめんなさいね。さぁ、荷物置きましょうか?」
「私、オフルでも大丈夫よ。」
「じゃあ、私は下に降りてるけど何かあったら下に来てね。お茶できたら呼ぶわね。」
「はーい。」

バタンッ。
母が下に降りたのを確認してナターシャはドアを閉めた。ベッドの上に荷物を置いてドサっと横に座ると頬杖をついて考え事をしていた。
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