強くて、脆くて、可愛くて【東リべ夢】〘佐野万次郎夢〙
第3章 もっと近くで
何故そこにと不安になって、軽く上半身を上げた瞬間、体に電流が流れるみたいな感覚に陥り、再びベッドへ体を預けて背中を反らせる。
「ん、あぁぁっ!」
予想出来なかった事に襲われ、声を荒らげてしまう。
喉が、震える。
「すげぇ、いい声……もっと……」
「や、あぁっ、そんなとこっ、だめぇ……」
止めるみたいに万次郎の頭に手をやるけど、やめてくれる気配はなくて。
聞こえるにしても聞こえないにしても、あまり大きな声が出ないように、必死で口を押さえる。
「はぁ……体、ビクビクしてる……気持ちい?」
「わかっ、なっ……ぁっ……んっ……」
この感覚が気持ちいいという事ならば、多分私は快楽に溺れ始めているのだろう。
排泄にしか使わないそこを、万次郎の舌が這い回り、吸い付いて頭が朦朧とする。
生理現象なのか、涙が滲んで流れ落ちた。
舌と唇で突起を刺激され、何度も体を跳ねさせ、痙攣させた。
体験した事のない快感に、羞恥なんて吹き飛んでいて、万次郎の言う通りになる。
思考が、うまく働かない。
「はぁ……ね、入れてい?」
ぐったりして返事か出来ず、頷くしか出来なくて。
正直、頷いたのもふわふわした頭で答えたに過ぎなくて、深くは考えていなかったのかもしれない。
少し時間が空いたからか、万次郎の様子が見えた。
下半身辺りで何かゴソゴソしていて、不思議に思っている私の視線と、万次郎の視線がぶつかった。
「お待たせ……出来るだけ、ゆっくりするから」
「ぇ……ひぅ、あぁあぁあっ!」
圧迫感と、裂かれるみたいな痛みが体を支配する。
伸し掛る万次郎の肩に私の爪が食い込むけど、それを気にする余裕が、今の私にはなくて。
呻くみたいな声を出し、喉を引き攣らせる。
「ごめっ……痛い、よなっ……ぁ、くっ……」
「ま、じろっ……っ、ふ、はっ、ぁ……」
万次郎にしがみついて、必死で呼吸をする。耳元では、万次郎の苦しそうな息遣いが聞こえ、彼も辛いのだろうかと少し考える余裕が戻る。
「はぁ……苦し、ぃ、の?」
「ぃや……気持ちよ過ぎてっ、やべぇ……」
「ふふ……ンっ……」
少し笑って、ゆるゆると動き始める万次郎にしがみつく腕に、再び力を込める。
「っ、キツ……ぁ……」