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依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長

第55章 思わぬ再会


車の中で口にした名前に、少し驚いたような顔をした後、ああ写真か、と頬を掻く左手。

「前に話してたじゃない?年下の『いい人』がいるって。ハウスの人ではない?」
「ああ。今はもうハウスを出て生活している」
歩行者も対向車もない暗い道を照らすライト。

「名前は『エース』。えっと、ルフィの4つ上だから14歳、中2か」
中学生かぁ、と少し増えた外灯を眺める。
「引き取られたの?」
「引き取られた、というか弟子入りしたというか...白ひげ、ニューゲートはわかるだろう?」
「ニューゲートって、え?市長?」
そう、と頷く横顔を見上げる。カチカチ、とウインカーが光る。

「頭のいいやつでな。エースは今、白ひげの世話元でモビーディック市の中学に通ってる」
「そうなんだ」
「マキノさんと約束しているらしい」「約束?」
少しあった家並みが、松林に変わった。

「白ひげのもとで一人前になったら迎えに来る、と」
ほう、と瞬く。
「...え?ちゅ、中学生がそれを??」
「正確に言えば小学5年生が」「5年生!?」
ハハ、とシャンクスは、笑った。

「エースがハウスに来たのは6年前。誓いを立てたのが4年前。あいつが結婚できる年になるまであと4年。マキノさんが最後に付き合いがあった彼氏は、知る限りでは6年前」
チラ、と向けられた視線に、なるほど、と頷く。

「ハウスの人たちには公認?」
「いや、知ってるのは俺だけだ。エースが話してないなら白ひげも知らないだろう」
「え、じゃあなんで」
乾いた笑いを溢すと、言いづらそうに首の後ろの辺りを掻く。

「ニアミスしたんだ」「ニアミス?」
うん、と頷き、少し細い道に入る。
「エースが向こうに行く前にハウスで宴をしたんだ、ルフィとウタの進級祝いも兼ねて。その合間、ウタのジュースを取ってきてやろうと調理場に行ったら、鉢合わせちまって」
な、と片手で🌸の唇に触れる。
「あらら」
見ちゃったのね、と言うと、隠れようなんかいくらでもあったはずだ、と笑い飛ばす。

「だからやつに焚き付けたんだ。マキノさんに男が近づかないよう見張っててやるから、早く迎えに来てやれって」
「そこは、『俺がもらってくぞ』じゃないんだ?」
意地悪な🌸の言い方に、ないない、と手を振る。
「殆どが気づいてた、二人が惹かれ合ってること」
がきんちょ以外は、と車を停めた。
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