第26章 言葉でなくても❦

ゴロンして、と言われて、俺は子供かと言いたくなったが、🌸に、ばんざーい、と言った事があるのでお互い様だ。

仰向けになった俺の腰を跨ぐ🌸は、腹の上にぺたりと座って上体を倒すと、左右の顎の下にキスをした。それから、首を吸いあげて鎖骨に食らいつく。
今までに俺が🌸へやったことを真似ているようだ。

吸い付く力が弱く、噛みつきにも遠慮があるので終始擽られているようななんとも言えない感覚が体を這う。
舌で首筋を逆撫でして、耳を食む。首を甘噛して、胸に手を這わせる。
んー？となにかを探している仕草が可愛い。

指先をピタリと止めると、うん、と微笑んでそこにキスをする。ちゅうちゅうと吸い付いている🌸は、心臓を探していたらしい。
額にキスしたあと、右胸の突起に吸い付く。🌸のような柔らかさのないそこを、難しそうに舐めている。

(結構忠実に再現してるな)
にやけていると胸の下。肋骨あたりにキスされた。その先の愛撫は、🌸の意志で進む。
腹筋に幾度かキスをすると、下着に手をかけられた。
大人しく腰を上げると、🌸が跨いでいた脚の間に座る。
反り返ってぺたりと腹についているソレに手をかけられて、ヒク、と反応する。
頭頂部しか見えない🌸を観察していると、小さい手で握り込んだ。
少し弱い握り方にもどかしさを覚える。
けれど、裏の筋を指先で擦り上げたりと案外的確に刺激してくるので眉を顰めた。

閉じた目に腕を乗せた。
意識してゆっくりと呼吸する。
それに合わせるように、ピク、と疼く。
ゆっくりと繰り返される扱きに感覚が鋭くなる。
扱きの速度が上がると、疼きも合わせるように高ぶる。
胸が大きく上下し、はっ、はっ、と息が上がりはじめた。
強く脈動しだしたソレがたらり、と先走りを溢したのを感じた。

どうする、と奥歯を噛んで浅い息を繰り返す。
(このままイクまでされるかっ、)
手淫でイかされるのもどうなんだ、とちょっとしたプライドが顔をもたげて、肘をついて軽く上体を起こす。

中途半端な態勢で見た、🌸が赤い舌で唇を濡らす仕草が、しばらく頭から離れなかった。