依々恋々-イイレンレン-@Shanks in 現代社長
第26章 言葉でなくても❦
おかえりなさい、と迎え入れてくれた🌸にホッともしたしドキッともした。
ネイビーのワンピースに着替え、髪を緩く纏めてリラックスした雰囲気。
差し出した袋の中身を見て、表情が和らいだことに安心する。
「ちょっと、口寂しくてな」
ポケットに入れていた煙草とライターを紙袋に放った。
わざわざ?と見上げてくる🌸のサラサラとした髪の感触を楽しむ。
「🌸が埋めてくれるならそっちがいいが」
とまらなくなるから、と小さい頭を引き寄せ、背中に回していた腕を腰のあたりに下ろしたところで組む。
🌸の肩越しに目線を下ろすと、スリットの入った裾から白い生足がチラチラと見えている。何も冷静になれていないではないか、と目を閉じて肩に乗せた額をグリグリと擦り付けると、すん、と鼻腔に抜けた香り。
いつもの、ほの甘い藤の香りではない。
「はちみつ、」「え?」
耳裏の生え際あたりで、すう、と肺いっぱいに吸い込む。
「はちみつの匂いがする」
うまそう、と軽くワンピースの襟ぐりを開いて、服の中の体温と香りを感じる。舌を出して柔らかい首筋をひと舐めすると、ぅきゃ、と甘ったるい声を出した🌸に、再び熱を上げられた。
少し目線を下ろすと、白い肩口に黒のストラップとそれより細い赤のストラップ。下着に赤を好むのか、とまだはっきりと残っている首筋の跡の上から口付けた。
「ぇ、あ、あんまり上に、跡つけちゃだめ」
明日困る、と後頭部を撫でる手。
「ん。わかった」
触れるだけのキスを首筋に残して、抱き上げる。
廊下からリビングへ抜け、🌸の手から取り上げてローテーブルに置いた袋から、紅茶が倒れた。
カーテンを払ってベッドの傍らに下ろす。
腰元からワンピースの裾を手繰り上げて脱がせると、一瞬見えた白い腹を赤のそれが隠した。
白い胸元と細い腕。黒の下着の上からボディラインを緩く隠す赤のキャミソールとショートパンツから伸びた白く滑らかな脚。
晒された肩を抱き、膝から太ももに手を這わせながらゆっくりとショートパンツのウエストゴムに指を掛けた。