第9章 (※)依存
(………………ちがう………ちがうよ……だめ……。)
刺激が止んで考える余裕が出来たつむぎは、下に伸ばそうとしていた手をぎゅっと握って固まった。
それに気が付いた杏寿郎が目を細める。
杏「つむぎ、」
「や、やだ…。やらない。」
まともな思考を取り戻してしまったつむぎを見つめ、杏寿郎は眉を顰めながらきゅっと口を結んだ。
杏寿郎にはつむぎが自身だけを見ていると実感出来る時が二つある。
一つ目はつむぎが酷く怒った時。
そして二つ目は快楽を与えた時だ。
その時は蕩けた顔で熱っぽい瞳を真っ直ぐに向けてくる。
その求め、縋るような瞳が欲しくて堪らなかった杏寿郎は、どうしようもない乾きを持て余した。