第9章 (※)依存
杏「つむぎ。」
こめかみに口付けを落として気を引き、顔を正面に戻すように促す。
するとつむぎは眉尻を下げながら視線だけを杏寿郎の方へ向けた。
杏「きちんと見てくれ。君が誰に何をされているのか。」
「……な…なんでですか…。」
杏寿郎はそう問われると目を細めて微笑む。
杏「意味など考えなくて良い。今はただ、俺の言う事を聞いていてくれ。」
普段はガードが固いつむぎであったが、杏寿郎の雰囲気、火照った体によって思考が鈍ってしまっていた。
それでも何とか再び考え込もうとしたが、杏寿郎が遮るように口付ける。
「…はッ」
長い口付けで更に頭が回らなくなったつむぎは目の前の燃える瞳を見つめた。
杏「今度は目を逸らすんじゃないぞ。」
その威圧的な声につむぎはゆっくりと頷いた。