第7章 二人切り
杏「…つむぎさんとは漸くお付き合いを始められたというのに、忙しくて二年も会えずにいました。再会は今回の任務後の御見舞いです。」
都「そんなに………、」
鬼殺隊士の経験が無い都世子は気の毒そうな顔をした。
(あ…いけそう……。)
そう思いながら父親を見ると、腕を組んで眉を寄せていた。
か(つむぎも十八。もう結婚を意識する歳だろう。そうとなればやはり…、)
その相手になりそうである杏寿郎を見つめる。
かざみは組んでいた腕を解くと、グッと拳を握って膝の上に置いた。
か「杏寿郎くん。」
杏「はい!!」
相変わらず凛々しい声にかざみは真剣な表情で応えた。
か「あくまでも結婚を考えた上でのお付き合いであり、そして結婚への足掛かり…いわば予行練習のような形であるのなら許そうと思う。」
かざみの言葉に杏寿郎とつむぎはパッと明るい笑みを浮かべた。
か「ありがとうございます!!」
「お父様…、ありがとうございます!」
そうして二人はめでたく共に暮らすことを許されたのであった。