第7章 二人切り
杏「神崎少女、正直に言おう。それは俺の」
「私達すこし悪い事をしちゃったの!それでしのぶさんに怒られてビクビクしてただけ!アオイちゃんに悟られたくなくて遠回しな言い方しちゃったんだ、ごめんね!」
そう勢い良く言われると、動じない性格のアオイも少し驚いた顔をして固まった。
ア「…そうでしたか。立ち入った事を訊いてすみませんでした。」
杏「いや、君は悪くない。ちなみにつむぎも悪くない。悪かったのは俺だけだ。」
「そこはややこしくなるから黙ってて。」
アオイは少し首を傾げたが食い下がらず、バケツを持つとサッと立ち上がった。
ア「では掃除が済んだので失礼致します。何か用がありましたら呼んで下さい。」
杏「うむ!!」
「ありがとう。」
パタンと戸が閉まると二人は目を合わせ、深く息を吐いた。