第5章 憔悴
私が悟をこんなに不安にさせた……苦しめたく無いのに……私を見離してくれたら悟はこんなに辛い思いをしなくて良いのに……どうして良いのか分からず、震える悟を強く抱き締めた……それが私に出来る最善の事………。
「……さと……ッ…」
悟を抱き締めると悟は額を合わせ、優しく私の頬を撫でるとゆっくりと唇を塞がれた……愛でる様な優しい触れるだけのキス……なんでだろう……悟だと安心する……ダメなのに……私は悟の横を歩けないのに……。
「ッフ……ンッ……ッ……」
「……」
「…ッ…………さ、と……る………ダ……メ…」
「ダメじゃない…… 、僕のこと嫌い?怖い?」
「ッ……嫌いなわけない……それに、悟が怖いわけない……でも、私は……ッ……ァ……ゥン……」
を離したくない……全部俺のものにしたい……俺を嫌いじゃないのは知ってる……でも、怖くないかの確認はしたくて怖くないと聞いた瞬間、言葉も吐息も喰べ尽くすかの様な濃厚なキスを落とした……。
「ッ……ンっ……あッ……っ!!」
「……ッ!?…… ?…やっぱり、嫌?」
何度も角度を変えながら舌を絡め取り、の僅かな震えが止まった事に嬉しさを感じた瞬間、突然拒絶するかの様に胸を圧され、泣きそうになっているの顔を覗き込んだ……。
「ハァ……ハァ……違……ッ…シヴァ……シヴァは……ッ?私だけ……どうしよう……悟、シヴァが!!?」
「、大丈夫……シヴァはココにいるよ?流石に力殆ど使い切っちゃってるけどね?俺が無下限で海に入る直前でを抱き留めたから……今はの中に戻ってるよ」
「ッ……良かった……シヴァ……」
正直、拒絶されたのかって不安に思ったけど、気にしていたのはシヴァの事だったんだね?まぁ、シヴァにとって、この地は力が弱まる場所だし、僕の事も治してくれていたからね?ありがとう、シヴァ……あの時お前が俺を治してくれなかったら、を失ってたかもしれない……俺の先祖の様にね……。