第4章 暗転
硝子のところに着くと、流石の硝子も驚きを隠せず、直ぐに治療を開始した……もちろん、僕は外に追いやられた……一時間後、処置室から硝子が姿を現し、扉へ背を預けながら僕に入るように顔を傾けた。
「傷は治した……付けられたモノもな……今回は妊娠してる可能性はかなり低い……目を覚ましたら、避妊用のピルを処方する……」
「……相手は…傑……?」
「……ああ……クズだとは思っていたが……ここまで落ちるとはな……さて、お前は帰れ……」
「は?ここにいるよ……」
「はぁー……また目を覚ました時、泣かせるのか?を……今、1番会いたくないのはお前なんだよ……だから、帰れ……落ち着いたら連絡する……」
「……起きたら直ぐに連絡して………」
静かに眠るはさっきまでの姿が嘘の様にキレイになってて、夢ならよかったのに…… を犯したのは紛れもなく傑だ……よりにもよって……でも何故をこちら側につれもどしたんだ?アイツの事だ……何か考えがあったんだろうけど……。
「………硝……子……?」
「ッ……目が覚めたか…… ……辛かったな……もう大丈夫……私が何でも話を聞くよ?」
「……ッ……大丈夫……悟に謝らなきゃ……私……取り乱して……悟を傷付けちゃった……」
「…ッ………呪力を殆ど使い切ってる、無理するな……」
「……硝子……ありがとう……ごめん、もう少し休むね……」
「その前に、この薬だけ飲め……避妊薬だ……それから、五条に目が覚めた事、知らせても大丈夫か?」
「………悟には……ううん、お願い……それから…薬、ありがとう……」
「……アイツの事だ、飛んでくるぞ?」
「あはは、そうだね……」
「………」
の様子がおかしい……絶対に泣いて、抱きついて来る子なのに……少しでも気持ちを吐き出してくれるって思ってたのに……表情も変えず、笑顔を貼り付けて………とりあえず、が起きた事を五条に電話したら、今、伊地知と合流してたみたいだな……直ぐに戻るって言ってたけど……妙な違和感が残る中、薬を飲み再び眠りについたに目を向けた……。