第1章 序章
は気配を消したか……ま、逃げられないよ……先ずはアイツか……を狙うとなると呪詛師だな?
「おい、はどうした?」
「くっ、お前は……」
「ま、お前はここまで、続きは高専で聞かせて貰うよ?」
「ッ!!?うっ………」
が気配を消したのを察知した僕は始めに呪詛師の男を拘束し、男の足元に光る物を手にすると、まだ気配を消しているの居場所を見据え、その場へと足を向けた……。
……ぅッ!……制限の敷いている帳を破られた……いや違う……悟に気付かれた……あの制限の帳は並の呪術師には壊せない……それは私自身を媒体にしてるから……この世で破れるのは……“六眼”を持つ悟だけ……無理矢理、帳を壊された場合……その反動は全て私に襲い掛かる……。
ッ!?無い……ヤツの攻撃を躱した時に落とした……?とりあえず、今は、悟が堀部を連れて帰ってくれるのを待つしか……あの眼でも今の私の居場所は分からないはずだから……まだ関わる訳にはいかない………もう少しだけ……そしたら戻ろう……あー……仕事……変えなきゃ……。
「ハァ……ハァ……キッ……ツ………帳の反動がここまで……ッとは……ハァ……早く……見つけなきゃ……」
「久しぶりだね、……随分と探したよー?」
「ッ!!?ご……五条………悪いけど……私は探してない……呪術界からは手を引いたの……ッ……ここで見たことは忘れて……五条家の当主ならコレくらい、揉み消せるでしょ……?じゃあね……」
「んー、揉み消すことは可能だけど、そうも出来ないんだよね?上層部はもうお前の存在に気付いてるから……」
「ッ!!?……ゥッ………」
「悪いな、……」
「ッ!!えっ……さん!!?」
「……伊地知、直ぐに車回して……高専に戻るよ……」
油断した……悟が姿を消して一時間待ったのに……まだ帰って無かった……逢いたくなかった………動揺しちゃダメ……しっかりと久しぶりに見る悟に、冷たく言い放ち、姿を消そうとした瞬間、首に鈍い痛みを感じると同時に意識を手放した……悟……お願いだから忘れて……関わらない……で……。