第8章 嘘であって欲しい
雄也さんの運転でマンションに向かってる途中、雄也さんのスマホに着信音が鳴った。
車を端に停めて電話に出た。
「もしもし。。。あっ!!春香か?久しぶりだな。どした?」
春香?女性?不安になってギュッと唇を噛んだ。
雄也さんは、そんな私に気付いたのか私の手を握りながら電話の向こうの女性と話してる。
数分後、ようやくスマホを切って車を走らせた。
「今の電話、春香。。。さんって女性だったの?」
私、いつから、こんなヤキモチ妬きになったの?
自分が醜くて嫌いになる。
「あ、あぁ。僕の幼なじみなんだ。今でも、たまに電話して来る」
胸がチクッと痛い。
「そ、そっか。何か用事だったの?」
「よく分からないんだけどさ、僕に彼女が出来たってどこからか聞いたみたいで、その確認の電話」
「そっか」
そんな事、気になるって事は、彼女もやっぱり。。。
雄也さんって本当にモテるんだ。
本人は自覚してないみたいだけど。
私が彼女で良いのか本当に不安になる。