第6章 余裕がない心
「あれ〜?こんなとこで皆、何してるの〜?」
そこに居た全員か声のする方を向いた。
「和也」
雄也さんが一番驚いてる。
「和也さん。どうしてここに?」
「美智留ちゃんが来るんじゃないかと思ったから来た。どうせ兄貴が呼ぶだろうと分かってたしね」
「。。。」
「これ、差し入れ。皆さんでどうぞ」
そう言いながら和也さんは楽屋に入りテーブルに差し入れを置いた。
「あっ!私も差し入れあるんだった。良かったら皆さんでどうぞ。」
雄也さんに渡した。
「ありがとう」
「うん(ニコッ)」
それから時間まで皆それぞれ楽屋で過ごした。
「美智留ちゃん、この動画可愛いよ?見てよ(笑)」
「ん?うふふ。本当に可愛い〜。凄い癒やされるね」
見ると仔猫が餌を食べようとしてズッコケてる。
凄い微笑ましい動画。
それから、しばらくは和也さんと色んな話をしてた。
もちろん思い出話も。
隣でイライラしてる雄也さんには全然気付かなかった。
ガシッ
えっ?
誰かに手首を掴まれた感覚があり、手首を見ると雄也さんが、めちゃくちゃ恐い顔で和也さんを睨んでた。
「ゆ、雄也さん?」
ただならぬ雰囲気を感じ恐る恐る雄也さんの名前を呼んだ。
「美智留ちゃん、ごめん、僕、もうさ余裕ないゎ」
「???」
雄也さん?
私の手首を掴んだまま雄也さんは楽屋を出て行こうとした。
「兄貴!どこ行くの?楽屋を出るんならさ、美智留ちゃんを置いて行ってくれないかな?」
挑発する様な目で雄也さんに言った。
「無理、美智留ちゃんは絶対、渡さない」
「えっ?」
ガチャッ
雄也さんに手首を掴まれたまま楽屋を出た。
「兄貴!!」
中から和也さんの叫び声が聞こえた。
誰も居ない楽屋に雄也さんに連れて来られた。