第5章 初恋の彼の正体は?
「当時、美智留ちゃんの持ってたカバンに名前、書いてあったから、名前をずっと覚えてて、ずっと会いたくて名前たけを頼りに、めちゃくちゃ探してた。中学生の頃に1週間だけ遊んだだけだったけど僕には大切な思い出だったんだ。」
それは私も同じだよ。
大切な思い出。
「でさ、最近、兄貴から知り合った女の子の話を聞いて名前を聞いたら、もう一瞬、時間が止まったね。ずっと会いたくて、いくら探しても見付からなかった美智留ちゃんの名前だったんだからさ。居ても経っても居られなくて兄貴に何をしてる人なのか聞いて、ここを教えて貰ったって訳。忘れられてたらって思うと会うのが恐かったけどね(笑)」
そうだったんだ。
何だか嬉しかった。
10年前の思い出を今でも大切にしてくれてるなんて心が暖かくなった。
「結婚の約束もしたしね」
えっ?
「あ、あの〜それは。。。」
「僕、中学生ながらに本気だったんだけど。。。君は、違ったの?」
この場合、どう答えるのが正解なの?
私は、雄也さんと一緒に居たい位、もう、こんなに好きになってる。
雄也さんと出会ってなければ、この先、また和也さんの事を好きになったかも知れない。
でも今は状況が違う。
「わ、私。。。他にす、好きな人が出来ましてですね。。。あの〜その〜」
「知ってるよ?。。。兄貴だよね?」
ゲッ!バレてる。
「でも僕が先に君に出会い結婚の約束もした。」
「でも、あれは、子供の時の約束で」
「子供の時の約束って守らなくて良いって誰が決めたの?」
えっ?
マジで本気なの?