第4章 好きになった理由
お祭りから帰ったらお兄ちゃんがリビングのソファでコーヒーを飲みながら寛いでいた。
「ただいま」
ソファに荷物を置きながらお兄ちゃんを見た。
「おぉ、お帰り〜」
お兄ちゃんはニヤニヤしながら、こっちを見てた。
「な、何?」
お兄ちゃんは雄也さんと会ってた事を知ってる。
「どうだったんだ?浅岡とのデートは(ニヤッ)」
き、気持ち悪いなぁ、もう。
「べ、別にデートじゃないよ」
ソファに腰をかけてくまのぬいぐるみをギュ〜ッとしながら言う。
「いや、完全にデートだろ!2人っきりで夏祭り行ったんだろ?」
そりゃそうだけど。。。
私は今日、夏祭りで起こった事をお兄ちゃんに話した。
話を聞いていたお兄ちゃんは、見る見るウチに顔が真っ青になった。
「な、何だよ、それ。美桜が、そんな酷い事をお前に?」
「うん。。。雄也さんが居なかったら私、どうなってたか」
お兄ちゃんは身震いをした。
「お兄ちゃん?私ね?お兄ちゃんに話した事あったと思うんだけど、私が中学生の時、夏休みにおばあちゃん家に遊びに行った時の話、覚えてる?」
コーヒーをすすりながら落ち着こうとしてるお兄ちゃん。
「あぁ。名前も知らない年上の男の子と友達になったって話だろ?確か、美智留の初恋の相手」
お兄ちゃんはキッチンに行き私にもコーヒーを淹れてくれた。
「うん。雄也さんと初めて会った時、あの頃の事がフラッシュバックしたの。何だか懐かしくて暖かい感じがした。だから自然にファンから恋心に変わったんだよね。2人で会ってる今でもやっぱり雄也さんは暖かい人。」
お兄ちゃんは私の話をじっと聞いてくれていた。