第4章 好きになった理由
「どうして?どうしてなの?この女が居るからイケないんだゎ。絶対、そうよ。じゃないと雄也は私にそんな事、絶対言わないしいつも私には優しいもの。」
美桜さんは私を指差しながら、悲鳴の様に叫び、雄也さんに訴えた。
「美智留ちゃんは関係ない。」
雄也さん、美桜さんに、そんな事を言ったら火に油を注ぐだけなのに。。。
「分かったら、その男連れて帰ってくれ。」
男は、何なんだよ、一体とかブツブツ言いながら帰って行った。
美桜さんは、しゃがみ込み泣いてる。
「美桜。。。さん」
私が美桜さんの名前を小声で呼んだらキッと睨んで来た。
美桜さんもただ雄也さんが好きなだけなんだよね?
少し愛情表現の加減が分からないだけ。
私は美桜さんに少し同情してしまった。
だから昔からの付き合いのある友人達には、お人好しって言われちゃうんだな。
くまのぬいぐるみを拾って土を払った。
「せっかく雄也さんがプレゼントしてくれたのに、ごめんなさい(泣)」
くまのぬいぐるみをギュ〜ッとしたら涙が出て来た。
「大丈夫だよ。」
そう言いながら頭を撫でてくれた雄也さん。
「これからは絶対、大切にするね」
「うん。美智留ちゃん、行こ?」
雄也さんは、そう言って手を私に出して来た。
「えっ?でも。。。」
雄也さんの顔を見ると「手」とだけ言ってくれた。
こ、これは、手を繋ぐと言う事で良いのかな?
ドキドキしながら言われた通り手を差し出したら雄也さんが恋人繋ぎをして来た。
うそっ。
私、顔が真っ赤になってる、きっと。
恥ずかしくて下を向いた。
「さっきは大丈夫だった?」
さっきとは全然違う優しい声で聞いてくれた。