第4章 好きになった理由
「雄也さん((泣))」
雄也さんの顔を見た瞬間、安心したのか目から我慢していた大粒の涙が流れた。
「美智留ちゃんの腕を掴んでるその汚い手を離せ。」
雄也さんは、男の胸ぐらを掴んで恐い顔でそう言った。
やっと掴まれてた腕が解放された。
あんな恐い顔の雄也さん、初めて見た。
「な、何だよ。俺は、ただ、あの女に頼まれただけだ。この女を襲う様に」
男は美桜さんを指差した。
「何だと?(怒)」
雄也さんは、美桜さんを睨んだ。
「わ、私は何も知らないゎよ?その男が勝手にした事だゎ。」
雄也さんに悪く思われたくない美桜さんは必死に誤魔化そうとした。
「ふざけるな!!嘘付いてんじゃねぇゾ」
あまりにも恐い雄也さんの迫力にビクッと肩を震わせた美桜さん。
「だって、あの女が悪いのよ?私の雄也にちょっかい出すから。」
美桜さんは私を指差し私を睨みながら大声でそう叫んだ。
「僕は君のものじゃない」
美桜さんの正面に立ち真剣な目付きで言った雄也さん。
「えっ?私の雄也でしょ?どうして、そんな事を言うの?雄也は、今でも私の事を愛してるのよね?」
美桜さんは雄也さんに詰め寄った。
「いつ、僕が、そんな事を言ったんだ?ハッキリ言う。僕は君の事、何とも思ってない。だから、こんなマネは二度とするな。分かったな」
美桜さんは、目から涙を流し雄也さんの服を握った。