第4章 好きになった理由
それから、しばらく私達は、唐揚げを食べたり金魚すくいをやったりと楽しい夢の様な時間を過ごした。
雄也さんと一緒に居ると凄く温かい気持ちになるから不思議。
「あっ、そうだっ。飲み物買って来るから少しここで待ってて。」
そう言って雄也さんは、一人人混みへと消えて行った。
あの人混みじゃはぐれてしまうかも知れないもんね。
「あら?美智留さん?こんなところで会うなんて偶然ね」
声をした方に振り返ると、そこには美桜さんが微笑みながら立って居た。
不気味だった。
「おっ!!この姉ちゃんか?好きにして良いって女は。めちゃくちゃ可愛いじゃん。俺のタイプだよ。」
美桜さんの横にニヤニヤしながら立って居た男が美桜さんにそんな事を言ってる。
な、何?
「そうよ?可愛がってあげてね。もう私の雄也にちょっかい出せない様に(笑)」
美桜さんにそう言われた男は私の腕を思いっ切り掴んで来た。
「こっちに来いよ。楽しい事しようぜ」
男は力が凄く強かった。
このままでは、誰も居ない暗闇に引き釣り込まれてしまう。
危険をサッチした。
「い、痛い。離して。美桜さん?何でこんな事をするの?」
恐くなって涙目になりながら、男の手を払おうと必死でもがく。
雄也さんがプレゼントしてくれたくまのぬいぐるみが落ちた。
「貴女が、悪いのよ?私が忠告してあげたのに今でもまだ雄也と会ったりしてるから。貴女なんか、めちゃくちゃになれば良いのよ。」
美桜さんが大声でそう叫んだ。
恐かった。
美桜さんの目が血走ってた。
美桜さんは、本気で私を潰そうとしてる。
そう感じて恐ろしくなった。
「おい!!お前ら何してんだ!!」
声がする方に振り返った。