第4章 好きになった理由
私達は夏祭りが行われてる場所まで歩いた。
色んな屋台があった。
金魚すくい、当て物、くじ引き、焼きそば、たこ焼き、唐揚げ、綿菓子、りんご飴、イカ焼き。
「美智留ちゃん?くじ引きやっても良い?」
雄也さんが、くじ引きの方を指差して私に聞いて来た。
「うん」
私達は、くじ引きの方に小走りで行った。
「わぁ、色んな物があるね。あっ、これ可愛い」
くまのぬいぐるみを指差して雄也さんの顔を見た。
「へぇ〜、美智留ちゃんって、こう言うの好きなんだね。何だか、らしいな(笑)」
もう、絶対、バカにしてる。
「じゃあ、一回で。」
くじ引きのおじさんに、そう言いながらお金を差し出した雄也さん。
「何が出るかな?」
私はワクワクしながら、雄也さんが引いたくじ引きの結果を待った。
「1番だって」
雄也さんは、おじさんに引いたくじの番号が書かれた面を見せながら言った。
「あっ!!1番は、この中から好きな物を一つ持って帰って」
と言われ、おじさんが指差した方を雄也さんと一緒に見た。
「えっ?」
「美智留ちゃん、はい、プレゼント」
雄也さんの手には先程のくまのぬいぐるみが握られていた。
「えっ?」
雄也さんの顔を見上げた。
「このくじ引き美智留ちゃんの為にしたかったんだ。でも、まさか本当にくまのぬいぐるみが当たるとは思ってなかったけど(笑)」
はいって差し出されたくまのぬいぐるみを受け取った。
「良いの?」
しっかりくまのぬいぐるみを抱きかかえて聞いた。
「もちろん。君にもらって欲しい。」
「ありがとう、雄也さん。大切にするね」
愛おしそうにくまのぬいぐるみをギュ〜ッとした。