第3章 ライバル宣言
「美桜はさ、お前の存在が恐いんだ。浅岡を取られるんじゃないか?って怯えてる。」
えっ?ま、まさか〜。
お兄ちゃんはキッチンでコーヒーを淹れながら楽屋での出来事を話してくれた。
「浅岡は美桜にライブが始まる前の楽屋で『彼女に何かやったり言ったりしたら絶対許さない』って言ってた」
えっ?雄也さんが?
お兄ちゃんを見ると目が合いニッコリ微笑んでくれた。
「そのせいで、ライブ中、隣の席だった美桜に何か言われたんじゃないのか?だから泣いてたんじゃないのか?」
コーヒーを自分と私のマグカップに淹れて私の分を手渡してくれた。
「ありがとう」
お兄ちゃんは全部お見通しだね。
「本当の事、話せよ。何があった?」
淹れたてのコーヒーをすすりながら私に聞いて来るお兄ちゃん。
「分かった。ちゃんと話すけど、雄也さんには絶対言わないで。お願いします。」
私は頭を下げた。
「分かった」
お兄ちゃんは承諾してくれたからライブ会場での事を全部、話した。
終始、黙って聞いてくれていたお兄ちゃんは、いつの間にか怒り浸透の顔に変わってた。
「許せない。アイツ絶対、許せない。何を彼女気取りしてんだ?彼女でもない癖に!!
美智留?お前、浅岡への気持ちは?」
そう聞かれてドキッとした。
「えっ?す、好きで。。。す。もう、どうしようもない位、。。。雄也さんの事、好きになってる。///」
顔が真っ赤になり恥ずかしくて俯いた。
「よし!!それで良い。お前は浅岡の事、絶対何があっても諦めたりするな。良いな!!」
お兄ちゃんは私の両肩を掴んで勢いよく私に言い聞かせた。
「は、はい」
お兄ちゃんの勢いに押される形で返事をした。