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夢の片隅で

第3章 ライバル宣言


ライブが終わり私は雄也さんの楽屋に寄らず雄也さんに会わずにそのまま家に帰った。

雄也さんのライブ、楽しみにしてたのになぁ。

全然、楽しめなかった。

もう私、雄也さんに会っちゃイケないんだ。

別に付き合いたいなんて、そんな、おこがましい事、考えて居ない。

ただ、雄也さんに会えたら、好きで居られたら、それだけで良かった。

もう、それさえも許されないの?

美桜さんが彼女に戻るなら、かなうわけない。

ダメだ、我慢してた涙が次から次へと零れていく。

どれ位、泣いてたんだろ?

「ただいま〜」

あっ!!お兄ちゃんが帰って来た。

急いで涙を拭い「お、お帰りなさい」と無理矢理、笑顔を見せた。

「美智留、お前、どうしたんだ?雄也が、ライブ中、全然、元気がなかったし楽しそうじゃなかったって心配してたぞ?終わってからも楽屋に来ないしさ。美桜さんは楽屋に来てたけど」

リビングのソファに腰を掛けながら不思議そうに聞いて来た。

美桜さん、やっぱり楽屋に行ったんだ。

雄也さんに会いに行ったんだ。

「ちょ、ちょっと疲れちゃって。。。アハハハ」

無理に笑ってみせた。

「嘘つけ。お前、目が腫れてる。泣いてたんだろ?何があった?」

顔を覗き込まれたけど言えない。

美桜さんに言われた事は、誰にも言ってはイケない事なんだと、フィッと顔を反らした。

益々、怪しい私の態度。

お兄ちゃん、心配かけてごめんなさい。
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