第3章 ライバル宣言
「あ、あの〜」
不安そうに雄也さんを見た。
「この方、どなた?」
煙草に火を付けながら雄也さんの方を向いて聞いたその女性。
「あっ、小橋美智留ちゃん。小橋の妹だよ。」
雄也さんは、私をその女性に紹介してくれた。
私、何故か睨まれてる?
何なの?
ロングヘアが、よく似合う奇麗系なお姉さんタイプ。
鼻筋が通っていて、目はパッチリ大きくて、ナチュラルメイクで、スタイルも抜群に良い。
もしかして、雄也さんの彼女さんなのかな?
そう考えるだけで目に涙が自然に貯まった。
ヤバイ、泣きそう。
私、どんなけ雄也さんが好きなの?
自分の気持ちを再認識した。
「そう!!この方が、小橋美智留さんなのね?」
煙草を吸いながら上から下へと視線を落として行く。
「は、初めまして、小橋美智留です。」
恐る恐る挨拶をしたけど、私をずっと睨んでる。
もう一体何なの?
「美智留ちゃん?こちらは、安西美桜さん。僕の高校の同級生。」
雄也さんが美桜さんを私に紹介してくれた。
美桜さんは、煙草を人差し指と中指に挟んで「どうも〜。。。。雄也?それだけじゃないでしょ?私、雄也の元カノです。(ニヤッ)」
えっ?元。。。カノ?
「そ、そうなんですか?」
胸が鷲掴みされたみたいに苦しくなった。
ふと楽屋を見渡すと私達3人しか居ない。
「雄也さん?他の皆は?」
不思議に思い聞いてみた。
「それがさ〜、まだ来てないんだよね?」
えっ?
っていう事は私が来るまで美桜さんと雄也さんの2人っきりだったって事?