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【FF7】本編原作沿い

第1章 始まり


 まだ傷口は少し痛むが、歩けないほどではない。
 身体の調子を確かめながらゆっくりとベッドから下りると、一階へ向かった。
「ミキ・・・」
 私の姿を見て、母さんが心配そうに駆け寄ってくる。
「まだ寝てないと駄目じゃないか」
「もう平気。それより・・・エアリスは?」
 母さんはため息を吐くが、それ以上何も言ってこなかった。
 言っても聞かないと思って諦めたんだろう。
「花売りさ。壱番街に行くって言ってたよ」
 ・・・また一人で行ったんだ。
 私は顔をしかめた。
 あれほど一人で外を出歩いちゃいけないって言ってるのに。
『今入ってきたニュースです』
 付けたままになっていたテレビから、切迫したキャスターの声が聞こえてきた。
『つい先程、何者かによって壱番魔晄炉が爆破された模様です。犯人は確定していませんが、恐らく反神羅組織を自称しているアバランチだと思われます。繰り返します。つい先程・・・』
 思わず母さんを見やると、彼女も同時にこちらに目を向けた。
 ・・・エアリスは壱番街に花を売りに行っている。
 もしかしたら、巻き込まれてるかも―――。
「エアリスを迎えに行ってくる」
 母さんは反対しなかった。
 心配そうな顔で頷く。
「気をつけるんだよ」
「うん」
 再びテレビに目をやると、魔晄炉が爆発したときの様子が映っていた。
 映像を見る限りでは、かなり激しい爆発だったようだ。
 エアリスは大丈夫だろうか。
『住宅街への被害は少ないようですが、魔晄炉内にいた人々の生死はまだ確認が取れていません。救助活動もまだ始まっておらず、これからの見通しもついていません・・・』
 恐らく・・・魔晄炉内にいた人々は、もう命は無いだろう。
「・・・酷い話だね」
 母さんは苦々しげに呟いた。
 私も小さく頷く。
「星を救うためだったら何をしてもいいわけじゃないよ」
 それだけ呟くと、玄関に向かって歩き出した。
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