第3章 第一話 運命
うっすらと目を開けたルークが、朧げな瞳で女性を見ている。
「きみは…。…ここは、どこだ?」
「さぁ、かなりの勢いで飛ばされたけど…」
プラネットストームに巻き込まれたのかと思ったぐらい。
その言葉を聞きながらルークが体を起こそうとしたが、いてて…と顔を顰めた。
ハッとした女性が忙しなくルークの体に触れ、どこか痛い所は?と心配している。
遠慮がない女性に慌ててルークが離れて女性へ問いかけた。
「だ、大丈夫だよ。それより一体何が起きたんだ…?それに、お前は一体…」
「私はティア。どうやら私と貴方の間で超振動が起きたようね」
超振動?とルークが首を傾げ、ハノンとシノンも何の事だろうと顔を見合わせた。
同位体による共鳴現象。
あなたも第七譜術士だったのねと再びルークに近づいたティアの言葉に、さっきの第七音素の反応はこの二人だったのかとユキネは納得する。
「…だから王家に匿われていたのね」
「だー!!もううるせーっつーの!!お前少し黙れ!」
お前が何言ってんのかこっちはさっぱりだ!とティアから離れたルークが叫ぶ。
王家…?とハノンがルークを見た。
秘密裏に隠されていたのなら分からないが少なくともこの四年間、グランコクマで彼の姿を見た事は無い。
ティアという女性も。
だとしたら王家というのはまさか…。
沈黙したティアに、ルークがなんとか言え!と不機嫌そうに言う。
「黙れって言ったかと思えばなんとか言え、とはね…」
話は追々にしましょうとティアは言った。
ルークは何も知らないようだった。
匿われていたとティアは言っていたため世間に疎いのだろうか。
話が長くだろうと思ったティアは時間の無駄だと判断したようだ。
しかしあの姿であまりにも知識がないような…。
ルークの外見は成人しているようには見えないがそこそこ成長した体である。
対して中身はまだまだ子供のような態度や口調だった。
少し違和感を覚える。
「これからどうすんだよ!」
「…貴方をバチカルの屋敷まで送っていくわ」
「バチカル!?」
誰!?とティアがナイフを構えた。
驚きのあまり声を上げてしまったシノン。
もう、シノン!と咎めるようなハノンの言葉に、ごめんとシノンが謝った。
しょうがないと三人が草陰から姿を現した。