第1章 初めまして
「え本当に雪先輩だけなの?」
「うん。本当。だから今この高専にいる生徒はこれで全員ってわけ」
「たしかに呪術高専の生徒数は少ないって聞いたことあるけど…」
「いやいや、少ないにも程があるでしょ。どういうことだよ」
信じられないような顔をする3人に雪は順番に説明する
「まず、3年生は元々居ないのよ。で、4年生は問題起こして集団で停学中。んで私の同級生も二人いたけどどっちも死んだから…うん。私だけだね」
死んだ
そうサラッと言ってのけるがその言葉に3人は眉を動かした
「死んだって」
「あー、まぁしょうがないよね。呪術高専ってそういうとこだから。」
確かに3人ともそれを把握した上でこの高専に来ているだが、同級生が死んだにしてはあまりにも軽すぎる反応だった
「1年もここにいたらああ言う感じになるの?」
「さぁ、この先輩が特殊なんじゃね?」
コソコソと話す五条と家入を不満気にみながら雪は頬をふくらませた
「失礼な。さすがに死んじゃった時は悲しんだよ。ただもう1年の時の話だからさ、割り切ったってだけ。そこまで強くないって私。」
その返答に3人は納得するべきかしないべきか悩みながらも本当にこの人しか先輩が居ないのだという事実を実感する
「ということでこれからもどーぞよろしくね後輩達。私ひとりじゃ寂しいからさ、相手してやってよ。昼休み顔出すから!」
キメ顔をして言う雪に3人は一抹の不安を覚えた