第3章 不思議な人
俺らにはたった1人の不思議な先輩がいる
6月になって突然1年の教室に来たと思えば聞いていないことをベラベラと紹介してよく分からないテンションのまま去っていきやがった
そこから毎日教室に顔をだして俺らのことを質問攻めする
その割には自分のことをあまり話さないタイプ
担任に先輩のことを聞くもわかることは「まぁまぁの問題児」ということだけ詳しくは口止めされてるらしい
呪力もないし強いかもどうかもわかんねぇ
この目にかけてるサングラスを外せば俺の六瞳で相手の術式がわかるがあの先輩は
「そーいうのすぐに分かったらいざってときつまんなくない?」
と言っていまだに外す許可をくれない
よく喋るくせに本当に意味不明な先輩だった
ただその先輩といるのは退屈ではなかった
話は尽きないしきまづいという状況になったこともない
だから俺らはその先輩のことは嫌いじゃない
「親睦会やろう!」
そいつはいきなりそんなことを言い始める
俺らは思わず面食らった
そしてなんやかんや始まった同窓会
「あ、俺もからっぽ」
ドリンクを取りに行った先輩に続き俺も空になったグラスを持ち先輩の後を追う
そしてそこには何故かナンパされてる先輩がいた
いや意味不明すぎだろ
思わずそう突っ込みたくなるのを押えて男どもを散らす
先輩に感謝されながらも、ドリンクバーにグラスをセットしてふと思う
これは普段抱いてる違和感を聞くチャンスなのかもしれない
俺は先輩に疑問をぶつけた
「どうして俺らのことを知りたがるのか」
先輩は驚いたような顔をして最初は誤魔化そうとするも詰め寄ると本音を話し始める
京都姉妹校交流会のこと、兄のこと
思ったより内容がしょーもなくでびっくり
だってそうだろ?俺がいて負けるなんてありえねぇ
その旨を伝えると先輩は「小学生かよ」と言いながらも嬉しそうに笑ってた