第4章 愛しき余香【五条視点】★
ドクンドクンっと脈打ちながら精液が放出されていく。
ゴム越しではない生で感じる射精はとても気持ち良くて、頭が真っ白になった。
出し終わってもしばらくそのままの状態でいたが、流石にやりすぎたかと少し反省しながらゆっくりと引き抜くと、栓を失ったそこからドロッとした白い液体が流れ出た。
「んぅ……」
という艶めかしいうめき声を上げて、ゆめがぴくんと反応する姿は扇情的の一言に尽きる。
「あっ、悟様……出しすぎ、で、す……」
本当に子供が出来てしまうと、僕を咎めるような言葉とは反対に、嬉しそうな顔をしながらお腹をさする彼女を見るとまた興奮してきた。
その後何度も体位を変えて体を重ね、数え切れないほど交わってようやく満足したところで、僕たちは裸のままセミダブルのベッドに並んで横になっていた。
「ゆめ、まだ怒ってる?」
無言でむくれる彼女を抱き寄せ、機嫌をうかがうように、髪に口付けた後に顔を覗き込む。
「最近、薬を飲んでいなかったので……今日、危険な日なんです」
ゆめはご機嫌ななめな声の調子で、一言そう呟いた。
明後日の方向を向いたまま、さっきから視線を合わせない。要するに妊娠しやすい日だったのに、どうしてくれるのかと言いたいのか。
大人になると、何をするにも理由が必要だと思い込む。それは一種の逃げであり、何かを成す原動力ともなる。
イクたびに全部中に出したから、もし子供が出来るのなら、それを理由に責任を取るという名目で、彼女と結婚したい僕としては願ったり叶ったりだ。
ゆめにもそれを理由に僕の隣にいて欲しいと願う。
「ゆめとの子供、可愛いだろうな」
未来を想像してニヤニヤする僕を横目に、ゆめは呆れたような視線を向けてくる。
「悟様、これから騒がしくなりますよ」
「ん?なにが?」
「もし、悟様の血を引く跡継ぎが出来た場合、解った時点で五条家の親戚一同へ報告しなければなりません。報告が遅れようものなら、影響は尾を引きます」
「あと、ゆめとの結婚もみんなに報告しないとね」
眉間に皺を寄せる彼女とは相対的に、僕は明るい薔薇色の未来しか思いつかない。ルンルン気分で鼻歌を歌いながら、ゆめの体が冷えないようにタオルケットと布団を掛け直す。
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