第4章 愛しき余香【五条視点】★
「あ、あぁ……さ、と……るさま」
艶っぽい声で名前を呼ばれ、返答の代わりに額に唇を押し付けた。
自分の愛撫ひとつひとつに反応を示す姿が愛おしくて、今すぐ押し倒して彼女のすべてを自分のものにしてしまいたい。
ふと、吐息混じりに「すきです」と、消え入りそうな返事が聞こえた。
聞き間違いかと思い、顔を覗き込んで聞き返すと、おずおずと恥ずかしそうに視線を向けてくるゆめと見つめ合う。
好きですと言いながら、吐息を震わせて僕の服を握りしめる様子に、腰のあたりに熱がこもってくる。
本能を掻き立てる仕草に焚きつけられ、この女性(ひと)を抱けと心の中のもう一人の自分が囁いた。
「ゆめ、我慢できない、抱きたい」
早くゆめを鳴かせたい。
僕の手で、僕の下でだけ乱れているゆめを見たい。
好きな人と繋がりたい欲で暴走しそうだ。
「え、悟様……待ってくださ……」
「嫌だったらビンタくらいしないと僕は止まらないよ?」
僕の言葉に、ビンタなんて出来るわけないと慌てたゆめを抱え、ベッドまで移動する。
シーツの上に彼女を降ろし、覆いかぶさりながら彼女の首から鎖骨にかけて舌を這わせた。
弱く抵抗する手を押し退けて、きっちりと着込んでいるゆめの服を乱し、少し汗ばんでしっとりとしている胸の谷間にキスを落とす。
「あ……あの、だめ、恥ずかしいです……」
そんな蚊の鳴くような声で拒まれても興奮してしまう。
主張を始めている胸の突起を口に含み、唾液を絡ませて舌でなぶると、組み敷いている彼女の腰がビクリと強ばる。
硬くなった乳首を指先できゅっと摘むと、「あんッ」と甘い声が響いた。
尖端だけでなく、膨らみにも吸い付いて紅い印を散らす。
その度にピクピクと小刻みに揺れて応えてくれる体が愛しくて、彼女の白い下腹部に音を立てて口付け、履いていた黒いタイツごと下着を取り去った。
下肢に触れると、それだけはダメだと泣きそうな顔をしたゆめがかぶりを振った。
普段の態度とはかなりギャップがある。
子供のように、ひたすらイヤイヤと態度だけで伝えてくる振る舞いに、こっちは更に欲情してしまった。
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