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変態王子の恋愛管理

第2章 性癖ヤバめな変態に狙われました




『俺のものになってよ』



宣言から、数時間。
未だあたしは桜咲の家から解放されずに、いる。
というのも。










『…………』
『大丈夫だよ楪。楪の嫌がることは絶対しないからさ』

す、とあまりに自然と頬へと伸びてきた指先に、びくん、て身体が跳ねる。
だけど。
怖がってるの、気付かれたくなくて。


『…………すでにこれが嫌なんですけど』


精一杯虚勢張って、右手に繋がれた枷を指差した。


『じゃ、外してあげる』
『え』


にこりと笑って。
簡単に右手が、自由になる。
あ、あれ?
なんかちょっと…………。
あれ。
あたしの、勘違い?
意外と、ヤバくないのかな。
この状況って。


『ね楪、お腹空いてる?』
『…………空いてる』
『夕飯作ったんだ。あっためてくるから待ってて』
『え』


パタン、て。
寝室のドアから桜咲が出ていって。
今部屋に、あたしひとり。
手錠も、ついてない。
何これ。
今ならあたし、全然これ逃げれんじゃん。


『…………』



ま、だよね。
別に監禁する、とかいわれたわけじゃないし。
これは、あれだ。
桜咲のやつ、あたしびびらせて笑ってる?
ちょっとだけでも、怖がって損した。
そこまでさすがに沸いてないか。
ため息ひとつ。
寝室のドアを開けた。




『あれ楪帰んの』



玄関へと続く廊下で声掛けられて。
そうだ確か。



『夕飯食ってかない?』
『…………』


美味しそうな匂いに誘われて。
踵返したんだっけ。
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