第1章 悪夢の始まり

「ねぇほんとはこーゆーの、好きでしょ」



ぬるって、耳を舐めながら。
背後から変態大馬鹿野郎が囁いた。



後ろ手にギチギチにガムテープで縛られて。
口の中にはタオル押し込まれて、さらにガムテープが口を塞いでる。
この状況でどう楽しめってんだバカ野郎。
生理的に流れる涙に嫌悪しながらも、首を千切れるくらいに横に振った。
それでも。
何をどう勘違いしてんのか奴はさらに行為をエスカレートしていく。
身動き出来ないのをいいことにやりたい放題。
服の上から胸をクリクリとこね回し、先端を突いたかと思えばいつのまにかトレーナーの中へと指先は侵入し、直接胸を揉みしだく。


「無理矢理犯されてんのに感じちゃうんだ？」

「っ」


犯してる自覚あんならやめなさいよ。
言っとくけどこれ、犯罪だからね！！



「あーあ涎でぐちゃぐちゃ。テープ剥がれちゃってんじゃん」

ベリベリベリって、ガムテープが口から剥がされて。
押し込まれていたタオルまでもが口の中から抜かれると。
反動で咳き込むのが止まらない。


「あ、ごめん苦しかった？」

「ちょっと…………っ！！ふざけ…っ、むが！？」


思い切り抗議しようと開いた唇に、今度は指先が入ってきて。


「ねぇ知ってた？口の中にも性感帯あるんだよ」


舌を、2本の指先が引っ張り出す。
そのまま舌をフニフニと弄び、口の中を指先が無遠慮に暴れ回っていく。
しかもこれ。


「…………も、や………っ」


からだ、おかしくなる。



「ね？気持ちいいでしょ」
「やら………っ」


顔が近付いてきて、吐息がかかる。
顔を背けたくても舌が指先に捕まってて、動かない。


「噛んだらお仕置きね」


「や、ら…………っ、ふ、んぐぅ！？」




拒否なんか受け入れられるはずもなく。
簡単に奴の唇があたしのそれに噛み付いた。