第2章 星の雨と共に【占い師】
その後、雨は止み、試合は無事再開。結果は一人脱落、三人脱出と、サバイバーの勝利となった。
私も、無事に館に帰ることができた。
できたのだが。
[ほら、しっかり立って!測れないでしょう!?]
『…私、洗濯物の洗い直しもありますし、何よりなんで私なんでしょうか』
ナイチンゲールに捕まり、採寸を始められてしまった。
“傭兵の新衣装が作りたいが、本人が不在で困っていた所、ちょうど身長がほぼ一緒の私がいたから”だそうだ。
確かに、初対面の時に“身長ほぼ同じだなぁ”なんて思っていたけれど。
『本人の試合数減らせば良くないですか?』
[それができないから、こうやって貴女にやってもらっているの]
『…そうですか』
これ以上言い合いをするのも面倒なので、大人しくなっておいた。
ああ、洗濯機、壊れちゃったら面倒だなあ、なんて思いながら。
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思っていたよりもはるかに早く終わったので、急いで洗濯場へと向かう。
私は、自分より少しサイズの大きい、傭兵の没衣装を身につけていた。
なぜかと言われれば、”勿体無いから着て”とナイチンゲールに半ば無理やり着せられたからだ。
元々着ていたものは、試合に巻き込まれた時に汗まみれになってしまったため、それも洗濯をしようと持っていく。
水を吸って重くなった洗濯物たちを持ち、廊下を歩いている途中で、先ほどの試合に居たサバイバーたちと出会う。
聞こえてきた話の内容からするに、試合の反省会をしているようだ。
邪魔をしないようにするすると後ろを通り抜ける。
そうして着いた洗濯場で、私は絶望した。
『嘘だ、絶対嘘だ』
故障。
そう、洗濯機が。
サバイバーだけでも30人はいるので、洗濯機は数台置いてあるのだが、不幸なことに、それの半分以上が動かなくなっていた。
今持っている洗濯物は、一台で三分の一も入らない。
ナイチンゲール、これは貴女の犯行か、と勝手に彼女を恨んだ。
さて、今日だけで何回回す羽目になるのやら。
指折り数えながら、私は洗濯物と格闘することを決めた。