第2章 星の雨と共に【占い師】
女性主人公
プレイヤー達のケア係的な奴
イライより3つ年上
※弊荘園でのクラークさんは意識しないと天眼が発動しません
主人公『』
イライ「」
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「誰かに褒めてもらいたい」
『急にどうしたんですか』
普段の性格の面影もない、影のある表情でつぶやく。
穏やかな性格で人気の彼が、霧を纏っているようなどんよりした空気だ。
普段は綺麗な彼の机も、お世辞にも綺麗とはいえなかった。
「そこは褒めるところ」
『きゃークラークさんすごーい』
「心がこもってないと意味が無いだろ」
『マフィンあげるから頑張ってください』
「マフィンぐらいでそんな気力起きない…」
ここはイライ・クラークの自室。本日、彼は試合の予定が少ないので、自室で休んでいる。
元々「クラークに昼食持って行ってあげて」と言われてやってきたのだが、この有様である。
丁寧な口調も崩れ、朝はきっちり整えられていたはずの服も皺だらけ、おまけに常に半分空いた口。
毎日毎日試合へと赴きすぎて壊れたのだろうか。
駄々をこねる少年のようで少し面倒臭いが、そこに可愛らしさも認識してしまう。ついに私の脳は破壊されたようだ。
「…今面倒臭いとか思っただろう」
『ははっ…気のせいですよ』
突然思考にクリーンヒットされ、思わず目を逸らす。
『食事の時間は大事ですよ』
話をずらすかのように、昼食の温かなポタージュを差し出すと、少しぶつぶつと文句を言いつつも口に入れる。
小動物の様な顔で食べるのでつい撫でてしまいそうになるが、寸でのところで抑える。
『クラークさんは頑張っていると私は思います。本当に凄いです』
「…!」
まるで百面相でもしているかのように表情が変わる姿は、頭を撫でてやりたくなるくらい可愛かった。
彼はどこからどう見ても明らかに男性であるはずなのに、某ゆるいキャラクター的な可愛さを含んだマスコットのように見える。
ふと時計を見ると、いつの間にか10分ほど経っていた。いつもより長居してしまったようだ。
『昼食、冷めないうちに食べてくださいね』
そう言い残して部屋を出ると、次の仕事へと足を進める。
いつもは一人当たり5分程度で済ませていたから、その後の調整が少し面倒臭かったのは秘密。