第1章 神様と仲良くなるために
神様とは世界を見守り作るものだ。
神は、私たちの絶対的存在で、私たちの全てである。
…………それは全くの嘘だ。
「おい人間、ぼーっとするな邪魔だ!」
煩わしげにこっちを睨みつけているのは、超人間嫌いな界王神のザマスである。ちなみにこいつはアニメで大暴れしていた神だ。
「すみません、神様」
ぐぐっと縮こまって彼がいなくなるのを待つ。
「そろそろ記憶を思い出したか」
「いえ、それがまだで……」
あ、今舌打ちされた。
毎回顔を合わせるたびこれである。
そんな態度を取られても。帰れないのだから仕方がない。帰れるものなら帰りたいのだ。
だがしかしここは怒りをぐっと耐えて、恭しく頭を下げる。それが嘘だろうと関係ないのだ。なるべく怒りを与えず穏便に。今ほど日本人でよかったと思ったことはない。だが神様、ウチはお前を絶対許さねー。
ザマスが鼻で笑いながら目の前を通る。
ザマスの後ろ姿を見ながら溜息を吐いた。
「ザマス、天月さん、そろそろお茶にしましょう」
ザマスの師匠であるゴワス様が呼びに来てくれたことに内心ほっとしながら、返事を返した。
「はい、今行きます」