第6章 血 *R
部屋を出て、五条の部屋へと向かう。
薄暗く静かな廊下にギシッギシッと木が軋む音が響く。
そう言えば五条の部屋行くの久しぶりかも…。
部屋の前まで来たところで、ノックをするかふと考える。
今までノックなんてしないで勝手に入ってたけど、、、、さすがにね。
コンコン
『あたしー。』
「んー。」
ドアを開けると、スウェットに着替えた五条はゲームをしていた。
『・・・あんた相変わらず小学生みたいな生活してんのね…』
「るせー。」
そう言う自分も少し前は五条の隣にいたのだけれど。。
勝手知ったる私は、テレビボードの下にあるDVDをゴソゴソと漁った。
『何本かかりてくよー?』
「・・・・。」
返事が返ってこず、顔を上げるとテレビ画面にはゲームオーバーの文字が。
『ハハッ、ゲームオーバーだって〜〜!』
画面を指差しながら五条に目を向けると、コントローラーを持ったままぼんやりとしていた。
『ーーーちょっと、、、五条?』
私がテレビの前で手をヒラヒラさせると、五条はハッとしたように我に返った。
「あー!いつの間にか死んでるしっ‼︎
はぁ、、、やーめた。」
ポイっとコントローラーを床に放り投げたのを横目に、
『・・・ぼんやりして、どうかした?』
「べっつにー?
つーか病人のくせに他人の心配なんかしてんなっつーの。」
『だって珍しく五条がボーっとしてるから。
・・・DVD選んでる間なら話、聞いてあげてもいいけどー?』
五条の事だからどーせ憎まれ口でも叩いてくると思ってた。
けど、少しの沈黙の後、五条の口から出たのは、、、
「ーーーお前さ、呪術師やめれば?」