第6章 血 *R
「悟…。硝子からは何てメールが?」
「ククッ、、人には散々ノックしろとか言うくせに自分もズカズカ入ってんじゃんっ!ウケる〜〜‼︎」
あぁ、、傑の額に青筋が…。。
五条、あんたはホントに空気が読めない男だね…。
「・・・笑えない冗談だな。」
「嘘も方便てヤツじゃん。お陰で早く片付いたし?
まぁ、お前が車の運転にケチつけだした時はマジで笑いそうになったけど。」
『えっ?傑が⁇』
普段の傑の行動からは想像出来ない言葉に思わずくいついた。
「そ。もっとスピード出せるとか脇道入れとか、、まぁうるさいったらなんの。」
「・・・・もういいだろ、悟。」
傑は疲れた様子でため息を吐くと、片膝を立て床に座りこんだ。
私が意識不明だって聞いてそんなに焦って帰って来てくれたんだ…。
ーーーーやばい。。
ニヤニヤが止まらない。
私はベッドの上に座りながら傑の頭に手を伸ばし、少し乱れた髪を撫でた。
『心配、してくれた?』
「・・・あぁ。寿命が縮まる思いだったよ。」
顔を上げた傑は珍しく疲れを滲ませた表情をしていて、思わず胸が締め付けられた。
「あのさぁ。2人の世界に入る前に確認だけど、身体は平気なのかよ?」
『え?あー、、うん…ただの貧血だし。』
「・・ふーん?」
「まだ顔色が悪い。貧血とはいえ辛いだろう?私達は出て行くからゆっくり休んだ方がいい。」
傑は立ち上がると私の頬を撫でた。
大きくて優しい手。
まだここに居て欲しくてその上から自分の手を重ねギュッと握った。