第5章 告白 *微R
ーーー気のせいって事にして、このまま振り向かずに帰ろうか…。
そんな考えが過ぎった時、
「ーーーさんっ、、おかあっ、、、さ、、」
子供の声が聞こえ、咄嗟に振り向いた。
『ッ⁇⁇』
路地の先で一瞬見えた小さな影は角を曲がりすぐに見えなくなってしまった。
ーーー嫌な予感がする。
そっちに行ったらダメ、、、‼︎
私はその子を止めるべく、走り出した。
ーー
路地を抜け、海岸通りに出たところでようやく走る子供の背中を見つけた。
『ハァ、ハァ、、、ん?もしかしてあの子、、、』
昼間、一緒に砂遊びをした男の子によく背格好が似ていた。
『ーーねぇっ‼︎待って‼︎危ないっ‼︎』
数十メートル前を走るその子は、パジャマのまま、しかも裸足だった。
私の声は届いていないのか、一直線に海の方へと走って行く。
『ハァ、ハァ、、ちょっ、、嘘でしょ⁈⁈』
ザバーンと波音を立て、夜の海は暗く恐怖を煽る。
慣れない砂浜に足を取られながらも必死で後を追いかけながら叫んだ。
『ダメッ‼︎止まってーー‼︎』
私の声に男の子は一瞬足を止めるも、黒い海を見つめ、ゆっくりと水の中へと足を進めた。
ーーー何か、おかしい、、、‼︎
そう思った時。