第5章 告白 *微R
パタパタと走って行く背中を見ながら、硝子はグラスに残ったハイボールを飲み干すと、テーブルに頬杖をついた。
「驚いたよ。まさか傑がねー?
どんな心境の変化?今までから何度もモーションかけられても上手いこと躱してたのに。」
硝子の前には空のジョッキやグラスが並んでいるが、顔色は全く変わっていない。
「別に心境の変化はないよ。
の事はずっと大事に想っていたからね。」
いつものように口元に笑みを浮かべながら答える傑に、硝子はつまらなそうに「ふーん。」と漏らし、
「ーーーーで?実際のとこ、何焦ってんの?」
硝子の問いに傑は僅かに目を見張った。
「フッ、硝子にはバレバレか。
ーーーそうだね、少し焦っていたかもしれない。
誰かのものになる前に自分のものにしたい…
そんな独占欲が沸いてきてね。」
納得のいく答えが聞けたのか、硝子はハハッと声に出して笑った。
そして隣に座る五条の顔を横目でチラリと確認すると、想像以上のしかめっ面でラーメンを啜っていて、思わず吹き出しそうになった。
ーーーやっぱりこの3人の関係は面白い。
1人ほくそ笑み煙草に火を点けた。