第15章 新たな季節
五条side
傑と白熱したバトルを画面上で繰り広げていると、
「ーーーあれ?寝ちゃってんじゃん。」
背中越しに硝子の声が聞こえ、ゲームは一時中断した。
「あー?ゲームしたいとか散々言ってたのどこの誰だよー。」
「もう遅いし、そろそろお開きにしようか。
片付けは私と硝子でやるから、悟はを運んでやれ。」
ウゲーっと舌を出し、
「片付けは明日で良くない?」
とボヤく硝子の肩をポンッと叩き、口の端をニッと持ち上げた。
「後は任せた!」
大きな舌打ちが聞こえたけどそこは聞こえないフリをしての肩を軽く揺する。
「おーーーい、部屋戻んぞ?」
テーブルに顔を預け、寝息を立てるは起きる気配がない。
「フッ、酒が入るとなかなか起きないぞ?
諦めて抱えていけよ。」
そう話す傑にチラッと視線を向けると、気持ち良さそうに眠るを愛おしそうな目で見つめていた。
ーーーーチクリ。と針を刺したような痛みが走る。
ほんとならお前がそうしたいんだろうな…。
似たような想いを経験してきたからこそわかる気持ち。
けど、悪りーな。
もう易々手放す気なんてないんだ。
傑から視線を逸らし、の側にしゃがみ込んだ。